こんにちは。樋口高顕/ひぐちたかあきです。
先日11月17日、令和3年第4回区議会定例会の招集挨拶を行いました。
招集挨拶では、
- 20年ぶりに実施する千代田区の基本構想の改定
- 新型コロナウイルス感染症対策
- 地域経済対策
- 今回提案した議案
の4点を述べさせていただきました。以下、抜粋してお伝えします。
なお、当日のようすはインターネット配信もされており、こちらにて私の挨拶文を全文掲載しておりますのであわせてご覧ください。
はじめに
度重なる緊急事態宣言の発出や、「三つの密」の回避をはじめとするさまざまな感染防止策の徹底などにより、私たちの日々の活動は制約され、長期間にわたる自粛要請は、児童虐待リスクの高まり、地域活動やボランティア活動等の中止に伴う高齢者の孤立化、不安やストレスによる女性の自殺者数の増加など、生活環境に大きな影響を及ぼしました。
こうした社会の閉塞感を打破し、将来に向かって、「明るさ」や「期待」を抱かせるような希望に満ちあふれ、区民が安心して暮らせる地域社会を築いていくことが、私に課せられた使命であると思っています。
私は「多様性と包摂」という理念のもと、区民一人ひとりに寄り添いながら、子どもや高齢者、障害者など「人」に着目した取り組みを進めていくことが重要であると認識しています。そうした中で、近年、注目されている持続可能な復興と回復、エコロジーな社会を目指し、区民の皆様とともにスピード感をもって取り組んでまいる所存です。
<1>20年ぶりに実施する千代田区の基本構想の改定について
コロナ禍を経験した私たちは、多くの変革の必要性に直面していることを認識しなければなりません。それは、新しい生活様式への移行、DXの推進、働き方改革、気候変動をくい止めるための社会システムの転換などであります。
このため、以前の生活に戻ることを目指すだけではなく、さまざまな変革にチャレンジすることを前提に、「変革の先にある将来像」をお示ししてまいりたいと考えております。真の住民自治の理念を念頭に基本構想の検討を進めてまいります。
基本構想を具現化する基本計画については、社会情勢の変化の激しさ故、計画の柔軟な見直しの必要が生じるなどのご指摘を受けております。こうした課題への対応策についても、併せて検討してまいります。
基本構想を策定するにあたっては、議員の皆様はもちろん、区民の皆様のご意見を伺いながら進めていくことが重要であり、できる限り多くの方々に共感いただけるものを作り上げていきたいと考えております。
<2>新型コロナウイルス感染症対策について
今年7月からの感染第5波では、新規陽性者数が激増し、医療崩壊、保健所崩壊と言われる状況になったことは記憶に新しいところです。
本区は昼間人口が多いため医療機関の数も多く、発生届の受理とその後の処理を担う保健所では、患者数の激増に従い、区民の入院調整や自宅療養者の健康観察等の業務も逼迫する事態に陥りました。加えて、この時期は新型コロナワクチン接種が大詰めを迎えており、保健所はもとより保健福祉部をはじめ全庁挙げて新型コロナに対応する暑い夏を過ごしました。
9月に入って新規陽性者数が激減し、最近1か月は区内での新規陽性者の発生がゼロの日も少なくありません。
第5波の兆候がみられた際には、入院病床の逼迫による自宅療養者の増加を危惧し、医師会による往診、電話・オンライン診療や、薬剤師会による処方薬の宅配、酸素濃縮器やステロイド剤の処方、さらに、一定数の病床確保など本区独自の対策を構築しました。
感染が落ち着いたこの時期をとらえ、自宅療養者の命を守り不安を解消するために地区医師会や病院等と連携し構築した独自の対策を再点検し、第6波の到来に備えてまいります。あわせて、業務繁忙期に対応できるよう保健所業務の事務処理効率化にも着手したところであります。
ワクチン接種に関しては、対象者の8割が接種を終えるという当初計画の目標より早く10月中に目標を達成いたしました。すでに3回目の接種実施に向けて、接種対象者の確認、接種券の発行と送付、接種会場と医療従事者の確保など準備を進めております。
※千代田区の3回目のワクチン接種に関してはこちらをご覧ください。
ワクチン接種が進み、新規陽性者数が減少した今、少しずつ日々の活動が再開されています。
区では、感染症専門家から科学的根拠に基づいた感染防止に関する指導を受け、かがやきプラザやいきいきプラザ一番町など高齢者施設の利用再開や学校施設での安全性の確保に取り組んでいます。
感染対策の柱は3つ。マスクの適切な着用、手指消毒、そして利用人数に合わせた十分な換気です。この3つを守ることが、新型コロナの感染を防ぐ鍵となるということですので、ルールを決めて区有施設の利用や各種事業を実施してまいります。
<3>地域経済対策について
東京都では、10月24日までのリバウンド防止措置期間を経て、11月30日までは基本対策徹底期間とされていますが、本区の「新しい日常店」をはじめとする、十分な感染症対策を実施していることを認証された店舗については、ほぼ通常営業が可能となっています。
令和2年8月より開始した、「新しい日常店」につきましては、感染症対策として重要な、施設内の換気について「見える化」を推進するために、二酸化炭素濃度測定器(CO2センサ)の認証施設全店舗への配布を進めたほか、東京都コロナ対策リーダー「徹底点検TOKYOサポート」との連携を進めてまいりました。
認証施設は、年度当初261施設でしたが、令和3年11月15日現在、1,187施設、約4.5倍に増加し、認証の取得が進んでおります。今後も、認証に取り組む施設数を増やし安全の確保を図っていくことで、安心して利用できる施設の拡充に努めてまいります。
また、区では、新しい日常下における区民生活応援と、消費喚起による区内中小店舗支援を目的とした、キャッシュレス決済によるポイント還元事業「PayPayキャンペーンin千代田」を、9月1日から1か月間、実施いたしました。
さらに、区民生活応援と、売上減少に苦しむ飲食店支援に加え、安全と安心を確保した認証店舗の拡大促進を図ることを目的とし、新しい日常店の認証を受けた店舗を対象とする、第2弾の「PayPayキャンペーンin千代田」を11月1日から実施しているところです。
加えて、本年度は、ウイズコロナ・アフターコロナを見据えた事業展開を行う、区内小規模事業者の皆様への支援として、「チャレンジ・チェンジ小口応援補助金」を実施しています。当初予算の想定を上回る多数の申し込みがございましたので、本年第3回定例会において補正予算をご議決いただきました。より多くの前向きな事業者の方々に活用していただければと思います。
区では、その他にも、地域経済を活性化させ、区内の中小事業者の皆様の経営を支援するためのさまざまな施策を実施しております。さらに、今後の社会経済状況を見据え、地域経済の活性化につながる新しい千代田区の魅力を創出する施策についても積極的に進めて参ります。
なお、現在開会中の第4回定例会についてはこちらから日程確認・一部インターネット配信がご覧いただけます。
是非、ご確認ください。