令和6年1月24日、本区の元区議会議員、および元職員が、工事契約に係る官製談合防止法違反の容疑で逮捕されました。同年6月、官製談合防止法違反により起訴された元職員に対しては、東京地方裁判所において、懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。同年7月、官製談合防止法違反およびあっせん収賄の疑いで起訴された元区議会議員に対し、東京地方裁判所において、懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。
令和6年7月31日、これまでの調査結果及び今後の対応策を再発防止検討報告書として取りまとめ、公表いたしました。契約業務に関し、たとえ議員から働きかけがあったとしても、情報漏洩があったことは、区民の皆様の信頼を大きく損ねるもので深くお詫びを申し上げます。
今般、調査や検討、有識者のご意見などを踏まえ、再発防止検討報告書をまとめました。本事件は、職員が外部からの不正な働きかけに対して強い倫理観を持って対応できなかったこと、職員の倫理観を支える組織の防止策、対応策が不十分であったことに起因しています。
私は組織の長としてゆるぎない決意をもち、全庁をあげて二度と起こさないように再発防止策を徹底するとともに、区民サービスの向上という原点に立ち返り、さらなる向上を目指し、抜本的な組織風土の改革にしっかりと取り組んでまいります。
なお、本事件の要因、非違行為の背景、有識者からの指摘、3つの再発防止策、新しい組織風土を築く改革、については、令和6年7月「千代田区入札不正行為等再発防止検討報告書 10 おわりに」でまとめております。こちらでご報告いたします。
また、私が本事件について緊張感を持って対応してきたこと、職員意識と組織風土を改革する決意、議会の皆さんとともに変わっていきたいこと、については令和6年10月10日 予算・決算特別委員会において答弁をしております。併せてご報告いたします。
令和6年7月「千代田区入札不正行為等再発防止検討報告書 10 おわりに」
今回の事件は、当時区議会議員からの入札に係る情報提供に関する不正な働きかけに対して、職員側が強い倫理感を持って対応できなかったこと、またこうした不正な働きかけに対する防止策・対応策が不十分であったこと等に要因がある。
たとえ議員からの働きかけや職場内で指揮命令系統の関係があったとしても、全体の奉仕者であるべき職員が官製談合事件に関与したことは、公務の公平性を著しく損なわせ、区民の信用を失墜させるものであり、猛省しなければならない。
今回、議員から職員への不正な働きかけそのものを重要な留意点と捉え、議員や利害関係者からの働きかけに対する防止策や関わり方の対応策も講じた。これは、個々の職員による非違行為の背景には、議員と職員との関係性が介在している可能性が否めないためである。
議員からの不正な働きかけに職員が応じる根本要因の1つとしては、職員には議員との良好な関係を構築し、円滑な議会運営に貢献したいとの思いや区民代表としての議員を尊重し、その立場を過度に意識したことが考えられる。実際に、アンケート結果、 ヒアリング調査結果等を通じて、議員から職員へのハラスメント行為や議員による職員処遇の介入の可能性等が浮き彫りとなった。特に、有識者意見では、議員と職員の間の過度に緊密な人間関係の存在が指摘され、こうした関係性が組織風土と化していることは否定できないとの指摘を受けている。
今般、区として、「議員等との関わり方の見直し」、「職員倫理の向上」、「適正な契約制度等の構築」の3つの点から再発防止策を取りまとめた。今後、同様の事件が発生することがないよう、執行部と区議会がともに再発防止に向けて継続的に取り組むこと が重要である。
さらに、今回の事件を契機に、職員の組織風土改革にも着手する。
今回の事件を受けて失墜した区民の信頼回復に取り組む再発防止策に加え、区民のより一層の信頼構築を目指し、新しい組織風土を築く改革として、組織との繋がりの深化や職員間のコミュニケーションの活性化等を通じ、区民サービスの向上に資する組織変革に取り組んでいく。
令和 6 年7月「千代田区入札不正行為等再発防止検討報告書」10 おわりに より
https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/31091/hokokusho.pdf
令和6年10月10日 予算・決算特別委員会における答弁
官製談合防止法違反のこの事案についてのご質疑を伺ってまいりました。何をおいても、この昭和22年に千代田区制、新千代田区が合併、誕生してから以来77年と、この中で初めて起こった、これまで経験したことのない大きな事件だったと認識しています。私も1期目、また3年のときでありましたけれども、こうした中で未曽有の事態が起こったと。そのような緊張感を持って、この間、1月以来、対応してまいりました。
そうした中で、もう何度も皆様には、また区民の皆様にもお伝えしていますけれども、 今回の案件は、たとえ区議会議員さんから不正な情報をよこせということがあったとしても、あったとしても、職員側が強い倫理感を持って対応できなかったことにあると報告書でも書かせていただいています。また、そうした働きかけに対する防止策、対応策が組織 内で不十分だったと、このようにも言っております。ですから、再発防止の中で、職員倫理、法令遵守、コンプライアンス、しっかりやっていこうよと、特別職も含めて、高い規範意識、倫理感をやっていこうよということであり ますし、三つ目が、三つ目というか二つ目が、この制度、契約、入札、この制度の、また入札、契約の事務のこうした改善を、改革を図らなければならないと、そのように考えているところです。
ただ、一方、今回の事件は、職員と事業者の間の関係、あるいは金品の授受ということではございませんでした。留意点としまして、そこには元区議会議員の方がということがありました。そこで、アンケートを取る中で分かってきたのが、有識者の方からはかなり厳しいご指摘を頂いたと思っておりますけれども、千代田区の議員と職員の関係は極めて近いんじゃないですかと。これは私ども二元代表の中で超えられない部分はありますけれども、そうはいっても、区政を進める中で一緒になってやっていく部分、また仕事を通じた経緯と信頼関係というのはあるものだと思っています。ただ、それがあまりにも近いと。それにおいて、特にこの前、前というか、議会局の事務局長が最後だったかと思いますが、この元職員が、議員に対して不適切な関係を発展していったと。これもアンケートなのかヒアリングで分かってきたと。具体的には自分の人事上の取扱いを議員に言ったり、あるいは本事案の発覚については、別の議会関係者にこの元議会局の事務局長が相談したりと、 このようなことが分かってきました。私は信じられない思いでした。
そうした中で、強い思いを持って、私ども自らが正すということで、この三つの再発防止対策でありますし、三つ目が議員さんと私ども職員との関係、あるいは事業者と職員との関係、これも適切なものにしていきたいと。これは私どもが決める規範でありますし、 ルールであります。 そのような中で、今後もうほんと二度と起こしてはならないと、2月の決議もあった、議会でのご決議もあったと伺っていますけれども、ご一緒にぜひ変えていきたいと思いますし、若い職員もおります。1,200人の職員一人一人が、まずは不正に加担しないと。また、若い職員も不正に加担させないと。こうしたものを、まず意識も改革し、そして組織風土とご指摘を頂きましたので、組織風土もしっかり改革していきたいと、これが私の切なる思いであります。
いろいろご納得いただけないと、疑義があるというご質問も頂いておりますけれども、 どうか、この思いは職員一同変わりませんので、見ていただければと思いますし、また、 どなたかからもご質疑がありましたけれども、議会の皆さんとも一緒になって変わっていきたいと、そのように考えております。どうぞよろしくお願いします。
本事件の発覚から報告書の公表に至るまでと、関連資料はこちら区HPをご確認ください。
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/jinji/dangoboshiho-ihan.html