こんにちは。樋口高顕/ひぐちたかあきです。
ポストコロナの都心とは。大手町、丸の内、有楽町を視察
梅雨の空模様。グローバルで、ロンドンやニューヨークを参考に、都市の既存ストックの再構築が試みられている、大手町、丸の内、有楽町を視察しました。
ポストコロナの都心で求められるもの…グリーンインフラ、居心地の良さ、交流と創造などにチャレンジしていました。以下、報告です。
1.大手町。都内最大級の屋上農園
まず、メディアでも報道された1958年竣工「大手町ビル」の大規模リノベーション。約4,000㎡ある屋上に緑あふれるワークスペースや農園が設けられました。
日経新聞「三菱地所、大手町ビルの大規模改装完了 屋上に農園も」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC246VB0U2A520C2000000/
コロナ禍を経て、働き方も様変わりしています。在宅やリモートワーク施設、公園に加えて、屋上という選択肢。ベンチ、デスクやイス、大人数での会議も想定。周囲に高層ビルがありながらも開放的に感じる空間デザイン。
併設された都内最大級の屋上農園は、日本で一般的な区画貸し方式ではなく、シェアリング方式。野菜育成アプリをダウンロードし、リアルタイムで生育状況をモニタリング、合わせて、利用者には手入れ方法もきめ細かく案内され、その実際の手入れの写メなども相互に共有されます。収穫時にはイベントも行われるとのこと。
2.有楽町。路地裏が公園に変わる
次に、有楽町 SLIT PARK(スリット パーク)。区道や都道では、パブリックな道路空間をオープンに過ごしやすくする、ウォーカブル施策を進めていますが、今回は私有地。新国際ビル・新日石ビルの間、都市の隙間を公園化する取組みです。
ITmediaビジネスオンライン「都市の隙間を多目的空間に 有楽町に「SLIT PARK」オープン」
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/31/news173.html
これまではアスファルトの薄暗い路地裏、駐輪スペースなどで利用されていましたが、新たに植物や光と、キッチンカー、アートやトークイベント空間、ワークスペースなども設け、今後は(路地裏に対して表通りである)丸の内仲通りとの繋がり(新国際ビルを貫通)も予定されています。
3.丸の内。新しい植栽帯「レインガーデン」
3か所目は、丸の内仲通り「レインガーデン」。降雨時に雨水を一時的に貯留し、時間をかけて土壌に浸透させる植栽帯のことです。不織布でゆっくり水を通すので、昨今のゲリラ豪雨など水害や下水管への負荷を軽減、洪水の抑制を見込むとのこと。車道と歩道から水を集めるため、少し窪んでいます。
植栽には、オーナメンタルグラス(葉の色や形が印象的な草)を採用、景観・修景の効果とともに、手間がかからず、虫や病気に強いという特徴も。グリーンインフラの可能性を、10月末まで実証実験しています。