こんにちは。樋口高顕/ひぐちたかあき です。
東郷公園(東郷元帥記念公園)の下段広場は、3月末に工事を完了、22年4月1日午前10時から再開しました。
これまで検討を積み重ね、取りまとめて来られた改修整備検討協議会(学識経験者、専門家、町会や九段小学校・幼稚園などの皆さま)には心から感謝申し上げます。
リニューアルした下段広場の特徴
まず特徴的なのは、岐阜県高山市の杉材が使われたウッドデッキのエリアです。東郷坂からの導線、その傾斜を活用し、またみんなで憩える屋根と縁台を設置しています。
なお高山市と千代田区は、カーボンオフセット(CO2排出量の相殺)に係る森林整備事業で連携をしています。またウッドデッキで使われている木材の裏側には、子どもたちの思い思いの絵や言葉が描かれています。下記の投稿は、昨年11月に中段広場で開催された、ウッドデッキの木材に描くイベントです。親子連れで大変賑わっていました。
様々な使い方ができる広場は、ゆとりのある広場となり、土ぼこりが舞いにくく、保水能力のあるクレー舗装になりました。見通しもよくなり開放的なつくりです。また建て直しされた、2018年に竣工した九段小学校(大正モダン建築の外観)と公園の一体性(後述する帝都復興事業)の継承も特徴の一つです。
今後は、広場を活用し楽しんで頂けるイベントも企画して参ります。
東郷公園の成り立ち
その名前は、日露戦争で活躍された東郷平八郎 元帥海軍大将の邸宅が現在の上・中段広場にあったことに由来します。
現在の下段広場には、上六公園がありました。関東大震災の経験から、東京市内各地で防災拠点を確立するため、校舎を耐震化・不燃化するのと合わせて隣接地に避難所となる小公園を整備し、小学校を地域コミュニティとして形成する、帝都復興事業「小公園と小学校の一体整備」の一つです。上六公園の隣には(現在の九段小学校の場所に)上六尋常小学校がありました。
1937年(昭和12年)に東郷元帥記念会より旧東郷邸を寄付されて以降、上六公園と旧東郷邸(のち空襲にて建物は全焼)を合併し、東郷元帥記念公園となりました。その後も段階的に公園は拡充され、1965年(昭和40年)に現在の公園の形に至ります。
現代の利用ニーズへ対応、上・中段広場は24年3月末に工事完了
小学校と公園が一体で整備された上六公園は、当時も災害時の地域住民の避難場所にされており、戦前には地域コミュニティの中心となっていたようです。今回の下段広場の整備にも、その思想は継承されています。
上・中段広場は、2022年4月1日午前8時から閉鎖、2024年3月末に工事完了予定です。改修工事にあたり、皆さまにはご迷惑をおかけいたします。
東郷公園には、九段、番町の地域の皆さまの思い、歴史を受け継ぎ、現代の利用ニーズに対応することが求められています。旧東郷邸にあったライオン像など継承し、そして特徴のある高低差のある3段の地形を活かし、幼児・小学生から大人・シニアまで、思い思いに利用ができる公園となるよう進めて参ります。
※千代田区HP、東郷元帥記念公園改修工事について
https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/machizukuri/koen/togogensuikinenkoen-kaishu.html